おもらし・おねしょ
排尿障害(昼間のお漏らし)
昼間のお漏らし、または昼間尿失禁は、子どもの成長とともに改善されることが多いですが、先天的な問題や尿道、尿管など排尿系統の異常によって起こる可能性があります。この状態が続くと腎機能障害や尿路感染症のリスクが高まるため、気になる症状があれば早期に医療機関に相談することが重要です。特に小学校入学時には、一定数の子どもが尿失禁の問題を抱えており、早期の介入が望ましいです。
夜尿症(おねしょ)
夜尿症は5歳以上の子どもで、月に1回以上夜間に尿失禁が3か月以上続く状態を指します。治療は自然に改善することもあるものの、原因に応じて薬物療法や生活指導、行動療法が必要となります。特に7歳時点での有病率は約10%で、年間約15%の割合で自然に改善しますが、一部は成人期まで継続する可能性があります。適切な治療により治癒率を高め、自尊心の回復にも繋がるため、症状が見られる場合は専門医の診断と治療が必要です。
膀胱の病気
膀胱尿管逆流症
膀胱尿管逆流症は、膀胱に蓄えられた尿が尿管や腎臓に逆流する状態を指し、この状態は尿路感染症のリスクを高め、水腎症や腎盂腎炎を引き起こし、結果的に腎機能の低下や慢性腎不全に至ることがあります。排尿時に膀胱から尿が逆流することが原因で、背中やわき腹の痛み、頻尿、排尿痛、高熱、吐き気などの症状が見られた場合は専門医に相談することが重要です。
神経因性膀胱
神経因性膀胱は、脳や脊髄、末梢神経の問題により膀胱の収縮力が弱まり、尿の溜める機能や排尿機能が適切にコントロールできない状態です。これにより頻尿、残尿感、尿漏れ、排尿障害が引き起こされ、尿路感染症や腎機能障害のリスクが高まります。治療は薬物療法やカテーテルを使用し、難治性であるが長期的な管理で腎機能を保護することが重要です。原因は多岐にわたり、脊髄損傷、糖尿病、骨盤内手術後などが挙げられます。
腎臓の病気
水腎症
水腎症は尿の排出障害によって腎臓内に尿がたまり、腎盂が拡張する状態です。主に胎児期に発症し、多くは妊娠中の超音波検査で発見されますが、成人になってから症状が現れることもあります。症状の程度は軽度から腎臓が著しく膨らむ重度のものまであり、治療は経過観察から手術が必要なケースまで様々です。尿路のどこかに狭窄や障害がある場合に起こり、定期的なフォローアップが必要です。
包茎
包茎
包茎は亀頭を完全に露出できない状態で、真性包茎では全く剥けない、仮性包茎では剥くことは可能だが通常は亀頭を被っているとされます。特に注意が必要なのは嵌頓包茎で、剥いた包皮が亀頭の根元を締め付け、戻せなくなる緊急を要する状態です。幼児期の包茎は成長過程で自然に改善されることが多く、思春期までには多くの場合自然に解決するため、子どものうちに手術などの特別な治療を行う必要は通常ありません。しかし、包皮の状態によっては専門医の診断が必要です。
真性包茎
真性包茎は包皮を剥いても亀頭が露出しない状態を指し、子どもの期には一般的で多くは成長に伴い改善します。しかし、繰り返す包皮炎、バルーニング現象、嵌頓包茎などの症状が見られる場合は、それぞれ細菌感染のリスク、排尿時の不具合、血流の悪化を引き起こす可能性があるため、治療を検討する必要があります。成人になっても改善しない真性包茎は、性行為への影響や陰茎がんのリスクも考慮し手術を勧めるケースがあります。
仮性包茎
仮性包茎は、手で包皮を剥いて亀頭を露出できる状態を指し、日本人男性に多く見られます。通常は治療の必要はないものの、嵌頓包茎のリスクがあるため、包皮が戻らなくなった場合は速やかに医療機関を受診する必要があります。また、包皮炎を繰り返す場合は治療や手術が必要になることがあります。
嵌頓(かんとん)包茎
カントン包茎は、包皮を剥いた状態で包皮輪が亀頭を締め付けて戻せなくなる症状を指します。この状態は血流障害を引き起こし、腫れや痛み、最悪の場合は組織の壊死を引き起こす可能性があります。包皮先端が狭く亀頭を露出しにくい特徴があり、締め付けが生じるため、いずれの場合でも早期の治療が必要です。
亀頭の病気
亀頭包皮炎
亀頭包皮炎は亀頭とその包皮に炎症が起こる状態で、赤み、腫れ、ただれ、膿、痒みなどの症状が生じます。原因としては皮膚への刺激、細菌や真菌の感染が考えられます。包茎の場合、不適切な衛生管理により繰り返し発症することがあります。子供だけでなく成人男性でも発症することがあり、症状を放置すると悪化する恐れがあるため、症状が見られた場合は早めに治療が必要です。
陰嚢の病気
陰嚢水腫
陰嚢水腫は、陰嚢内に液体が溜まり、陰嚢が腫れる状態を指します。胎児期に精巣が腹部から陰嚢に降りる過程で、腹膜が適切に閉じない場合、腹部の水分が陰嚢に流れ込み、陰嚢水腫を引き起こします。これは新生児に頻繁に見られる先天性のものと、成人で見られる後天性のものがあります。どちらも陰嚢の内部に液体が溜まることによって特徴づけられます。
精巣の病気
移動性精巣(遊走精巣)
移動性精巣は、陰嚢内で精巣の位置が変動し、時には触診で確認できず、迷走睾丸とも呼ばれます。この状態は、筋肉の収縮により精巣が鼠径部に移動するために起こり、リラックスした状態では通常の位置に戻ることがあります。一方、停留精巣は、筋肉の緊張の有無にかかわらず精巣が降りてこない状態を指します。移動性精巣は自然に改善することもありますが、精巣の位置が不安定な場合は発育に影響が出る可能性があるため、必要に応じて手術が考慮されます。不安があれば超音波検査を含む専門的な診察を受けることが推奨されます。
停留精巣
停留精巣は精巣が腹部から陰嚢に下降しきらず、陰嚢内に存在しない状態を指します。この状態は、男児に多い先天的な疾患であり、通常、精巣は体温より低い環境である陰嚢に位置して精子を作ります。多くの場合、生後1歳までに自然に下降しますが、1歳を過ぎても下降しない場合があり、その場合は不妊のリスクが高まります。2歳までに自然に改善しない場合は、手術で治療することが一般的です。早期発見と治療が重要です。
精巣捻転
精巣捻転は、精巣が回転して血管が締め付けられ、血流が遮断されることで壊死に至る病気です。特に思春期の青少年に多く見られ、突然の激しい陰嚢部痛が特徴で、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。新生児から10代の若者まで発症リスクがあり、症状が現れた場合は迅速な超音波検査と必要に応じて緊急手術が必須です。発症から6~12時間以内の対応が壊死を防ぐ鍵であり、早期の正確な診断と治療が重要です。
尿道の病気
尿道下裂
精巣捻転は、精巣が回転して血管が締め付けられ、血流が遮断されることで壊死に至る病気です。特に思春期の青少年に多く見られ、突然の激しい陰嚢部痛が特徴で、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。新生児から10代の若者まで発症リスクがあり、症状が現れた場合は迅速な超音波検査と必要に応じて緊急手術が必須です。発症から6~12時間以内の対応が壊死を防ぐ鍵であり、早期の正確な診断と治療が重要です。